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Written by: Copperleaf

バリューフレームワークにサービスレベルを組み込む

著者:スタン・コールマン(Stan Coleman)

以前のブログ記事(「」)でも紹介しましたが、 Copperleafのバリューフレームワークを活用すると、組織に価値をもたらすものをお客さま自身で定義し、その戦略的目標に合わせて投資の意思決定を行うことができます。バリューフレームワークを開発すれば、組織はさまざまな種類の投資について客観的にトレードオフを行い、投資の組み合わせや代替案、投資開始日など、最も価値を生み出す条件を知ることができます。

重要なインフラ管理を行う企業にとって、最低限のサービスレベル(Level of Service=LOS)目標を達成するために投資が果たす役割を理解することが非常に重要です。このLOS目標は、当局から課せられる場合や自社の目標に合わせて掲げる場合がありますが、最適な投資ポートフォリオを決定する際に新たに制約となる可能性があります。以下に例を挙げてみましょう。

  • 電気事業者の場合:特定の信頼性(SAIDI値など)の達成や、所定期間内に再生可能エネルギーの割合について特定の目標を達成するプラン作成を義務付けられている場合があります。
  • 水道事業者の場合:顧客1人当たりの最大予想漏水量を見込んだプランの作成を義務付けられている可能性があります。

上記の例からも分かるように、ここで言及するサービスレベルとは「組織の全体的目標」です。個々の資産クラスの資産戦略を見て評価することはできません。ある閾値よりも条件の悪い資産をすべて入れ替えあるいは一新することが必要なプランを作成しても、企業全体のサービスレベルを達成するコストを最小限に抑えられるプランにはなりません。特定のサービスレベルを達成する最適のプランを決定するには、全体の最適化プロセスの一部としてあらゆる資産クラスを評価する必要があります。

バリューフレームワークにおけるサービスレベルの役割

Copperleafのバリューフレームワークでは、あらゆるものを共通の単位に変換します。例えば、「信頼性」をフレームワークに組み込む場合、信頼性の向上に必要な価値の量を決定するために、供給停止期間の社会的コストを使用します。しかし、一定レベルの信頼性が経営陣の指示や外部(法律や規制など)により義務付けられた場合、その影響を経済的な単位に変換するだけでは足りません。

再生可能エネルギーの容量など一部のサービスレベル要件については、その義務が特定の政策を推進するための政治的決定に基づいている可能性があるため、経済的な視点からその影響を評価することは非常に難しいかもしれません。このような場合には、そのサービスレベルの要件に制約された上でのプランを作成できることが重要になります。サービスレベルが義務付けられていない場合でも、特定のプランが将来のサービスレベルに与えると予想される影響を報告することは有益でしょう。

前回の記事で説明したように、財務上あるいは財務以外での利益、軽減されたリスク、KPIの改善、そしてサービスレベルの影響など、さまざまな「価値の尺度」をバリューフレームワークに組み込むことができます。 これら価値尺度をすべて共通の経済的尺度に変換すると、最適化プロセスでは支出、タイミング、リソースにおける制約を守りつつ、可能な限り価値を高めるソリューションを決定することができます。最適化ソリューションはさまざまな方法でサービスレベルを組み込むことができるのです。

  • 制約: サービスレベルを制約として組み込むことができます。最適化ツールで、サービスレベルの制約を含むあらゆる制約に配慮しながら価値を最高に高めたソリューションを決定することができます。
  • 報告: サービスレベルが義務付けられていない場合、異なるシナリオがサービスレベルにもたらす影響を報告することは有益です(例:シナリオAを適用した場合、顧客の信頼性に関して予想される影響は・・・)。
  • What-if分析: サービスレベルの制約を活用すれば、異なるポリシーのコストを評価することができます。例えば、今後5年間で信頼性を10%改善するために必要な投資額など。

サービスレベルを組み込んだバリューフレームワークを開発することは、より良い判断につながります。また、社内でその判断を推す根拠になるほか、規制当局や役員会、その他関係者に対しても説明がしやすくなります。Copperleafのバリューフレームワークをより詳しく説明した2つのホワイトペーパーがございますので、是非リソースページよりご覧ください。

著者について

ハイテク開発と管理分野にて25年以上の経験。現在CopperleafのCTOを務めている。

 

 

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